No.53 ふたりの願い
まだ6月だというのに、早くも夏到来といった暑さの今日この頃。
そんな夏に入るまえに、春らしい曲をPick Upしておきたい!・・・というわけで、 今回は18th Singleより「ふたりの願い」をPick Up。
この曲、実はかなり前から小松さんが温めていたものらしく、 それまでの「マイナーでアップテンポ」というスタイルの逆「シンプルでミディアム」 でいきたいという願望でリリースすることにしたんだそうな。
確かに前シングルが「dance」「mysterious love」とアップテンポな曲だったというのもあって、 このシングルで180度雰囲気もテンポもがらりと変わっていたのには驚きました。
小松さんがこの曲を「シンプル」と呼ぶのは、 例えば、サビの3連符のように同じ音が続くところだったり、 歌詞がごくありふれた日常の詩だったりするからでしょう。
しかしながら、よく小松さんの曲に登場する「電車」という歌詞からは、 小松さんの日常生活の中から曲の歌詞が生まれてきたことが伝わってきますし、 同じ音が続くことが多いサビに関しても、小林哲さんのアレンジと小松さんの選んだ音が うまく複雑に絡み合っていたりと、この曲を聞きこめば聞きこむほど、 「シンプル」とは言いがたくなってくるんですよね(笑
他には、この曲には「ありのままを感じられる強さがあること 愛し合ってると言うのね」という 小松さん的恋愛論が語られてあったり(むしろ名言に近いかも?)、 「幸せの鐘が鳴り響く ライスシャワーの向こうで」と、小松さんの曲にはあまりない 「恋愛」→「結婚」という流れのストーリーが見え隠れするのも聴き所の一つでしょうか。
(ちなみに知らない方のために申しておきますと、ライスシャワーはライス(お米)を 結婚式を終えたばかりの2人に浴びせる祝福の儀式のことなんだそうな。)
花いっぱいのジャケットは、華やかさでは間違いなく全シングル中一番でしょう。 そんなジャケットと比べると、曲は「シンプル」と思えてくるかもしれませんが、 しっかり「華やかさ」が見え隠れしている、そんな一曲ではないでしょうか。
(2005/07/31)